かわかもがわ

再び始まる日々の備忘録

18きっぷで行く夏の甲州旅行2016 -その2(諏訪湖花火大会の臨時列車から飯田線へ)-

写真は野辺山駅で撮ったお花

前の記事では、旅の序盤となる横軽越え、小海線の乗り潰しを取り上げた。今回はその続き。

小淵沢駅に到着・中央線にお乗換え

小海線の「八ヶ岳高原列車」号に乗って小淵沢に到着。小淵沢中央本線との連絡駅で、今回の旅では中央本線に乗り換えてさらに西をめざす。

乗り換えた中央本線普通1541M列車は小淵沢駅からの始発列車。中央本線の列車は近年の車両更新により従来高崎線などで活躍した211系列車に置き換えられてしまった。中央線の211系列車の場合、ほとんどがロングシートの車両である。今回はそんな211系列車に塩尻まで乗車する。

ー中央線に南武線が走る日ー

さて、筆者が乗車した日にちは、諏訪湖花火大会の開催日であった。諏訪湖花火大会は9月に行われる新作花火大会と合わせ、中央本線沿線を代表する大型イベントである。そのため、JRも花火開催日に限っては列車の増発を行っている。今回は、この花火による増発ダイヤを狙って行程の作成を行った。

諏訪湖花火大会開催に伴う中央線の臨時列車には、普段から中央線で活躍する211系に加え、中央線大月以東で活躍する通勤型車両E233系も充当される。さらに、2016年は車両数補完のため、南武線E233系が花火大会向けに貸し出されることとなった。そのため、中央線の山線区間南武線の車両が走行するシーンが見られるようになった。今回は、中央線を走る南武線車両に乗車するべくまず塩尻を目指す。

花火大会開催日であるため、会場近くである茅野駅から混雑が目立つようになった。塩尻には遅れて16時頃に到着。ギリギリとなったが、南武線車両が充当される塩尻16:02発の臨時普通列車に乗り込んだ。

↑図は塩尻駅に停車する南武線車両

岡谷駅に停車する南武線E233系ナハN25編成。臨時列車に充当される185系と並ぶ。

結局、この列車には岡谷までの2区間乗車。短いながら中央線を走る南武線に乗るというこの日しか味わえない貴重な体験ができた。ちなみに、外装のLED表示機は「臨時」表示、車内液晶モニター・自動放送装置はともに使用されなかった。

ふたたびの塩尻

再び211系列車で来た道を戻り、塩尻駅へ向かう。今回の旅程ではここまで、岡谷→塩尻→岡谷→塩尻とこの区間を1.5往復している。このような行程作りも18きっぷだからこそ成せる技だろう。

 

というわけで再び塩尻駅に到着。塩尻駅といえば、入り口がとてつもなく狭い蕎麦屋「桔梗」が有名である。近くでいいにおいが漂う。今回訪問した際は満室であった。ちなみに、この入り口は改札内からそばを食べにくる人のための入り口であり、改札外に出ればもっと広い待合室スペースで食事ができる。

塩尻駅の訪問は2回目であるが、今年は御柱祭があったので、御柱が駅前に展示されていた。駅前のお土産やさんで地ビールを買うか迷ったが我慢。今思えば買ってもよかったかも・・・?

中央線の旧線まわりでまたまた岡谷へ

塩尻駅からは再び中央線で岡谷に戻る。ただ、今回は経路として中央線の旧線を利用する。中央線岡谷~塩尻間は後にできた新線(みどり湖廻り)と旧線(辰野廻り)の2つのルートが存在する。当然、後からできた新線の方が距離が短く線形がよいため、多くの普通列車とすべての優等列車は新線を通過するが、依然旧線にも普通列車が運転されている。(そのため、やや乗り潰しがめんどうくさい。)

中央本線旧線の利用は2回目である。1回目は昨年秋、途中駅である小野駅の訪問へ用いた。2016年3月まで小野駅はJRから業務を受託した販売員がきっぷを手売りする数少ない駅として知られていた。しかしながら、2016年4月よりPOS端末とよばれる販売・集計用端末が導入されたため、もう小野駅では手売りによるきっぷの発売は行っていない。列車は塩尻を出ると新線と別れ、ぐいぐい勾配を上って山中に入っていく。そんな山間の小さな駅が小野駅である。

途中はこんな感じで山間の集落の間を進んでいく。ほどよい田舎で都会暮らしにはとても癒される。

今回乗車した列車は辰野行きであり、再び岡谷へ戻るためには岡谷行への乗り換えが必要になる。そのため、岡谷行へ乗り換える。岡谷行の車両は飯田線より乗り入れた313系。花火大会へと向かう客で大混雑である。

かくして岡谷駅に到着(写真は乗ってきた列車)。夕方になり、岡谷駅も花火大会へ向かう客で混雑してきた。

第2のメイン・飯田線

もう初日も17時を回ったが、ここから旅も本格的に中盤に突入する。今回の旅行で小海線に次ぐ第2のメインとなる飯田線の乗り潰しがスタートするからだ。飯田線は先ほど通過した辰野駅から太平洋沿いの豊橋駅まで天竜川に沿って線路の続く長大路線であり、停車駅数がとても多いことから、乗り潰しの難しい路線として知られる。ただ、っその沿線の景色は絶景であり、鉄道ファンからの人気も高いようである。今回はそんな飯田線の"完乗"を目指す。

完乗を目指すといっても、小海線で岡谷へ到着した時間から、その日の明るいうちに豊橋駅まで抜けていくのは大変で、かつ沿線観光も十分にできない。そのため、今日は飯田駅まで乗ることとし、飯田周辺で宿泊。翌日沿線の観光を絡めて残りの区間を乗り潰すこととした。

飯田線へのとっかかりとして岡谷駅から快速「みすず」号飯田行に乗車する。この列車は中央線から飯田線に直通する快速列車で、朝夕に1往復運転されている。快速列車であるため、途中駅をほどよく飛ばして走ってくれるが、車両は211系であるため、ロングシートであり長距離の乗車には向かない。

ほどなくして辰野駅から飯田線に入る。飯田線といえば山あいを行くイメージが強かったが、意外と生活感のある地域を走っていくようで驚いた。

とはいえ山も近いので、ときたま清流?のようなものも車窓に現れ心が癒される。

日が沈みかけた頃、駒ヶ根駅に到着。伊那市駒ヶ根の周辺は住んでいる人が多く、ほどよく乗降があるエリアのようだ。

日が沈んでも飯田線の旅ははじまったばっか。月が出てきた車窓がまだ見ぬ土地をめざして流れていく。

しかし進むにつれて乗客がどんどん減っていく。同じ号車で結局終着飯田まで乗っていたのは私ともう1人だけだった。

 

かくして飯田駅に到着。飯田駅に到着する頃には周辺が闇につつまれていた。

飯田駅を降りた後は、徒歩20分ほどの距離にある温泉「砂払温泉」を目指す。飯田駅は街中にあり、居酒屋などがほどほどに点在する、が少し駅を離れると街灯の少なさ、普段歩いている街の明るさに驚く暗さぶりである。久しぶりの一人旅とあって一気に心細さが増す。

心細くなりつつも、人の営みに安心感を得ながら歩き砂払温泉に到着。肝心のお風呂は入場料500円で、露天やサウナ、寝湯やジェットバスなど種類も豊富で、コストパフォーマンスが高い。飯田に泊まる方にはおすすめできるが、駅から遠いのが難点か。

一風呂浴びて畳に転がる。一風呂浴びて落ち着いたところではあるが、ここから本日の宿を目指さなければならない。本日の宿は飯田駅から数駅戻った先にある元善光寺駅という無人駅から歩いたところにあるネットカフェである。一瞬飯田駅周辺で宿泊できないか...と宿を探したが当日のこの時間、流石に飯田では安い宿は見つからない。ちなみに、砂払温泉には宿泊ができるようだ。ただ事前予約が必要なので断念した。お湯はよく、ゆっくりするにはよさそうなので、次回もし訪問する機会があるのならば、泊まりで来るのも一考かもしれない。

途中地元のスーパー等に寄りながら飯田駅に戻ってきた。旅先のスーパーは安く食料調達ができるため、安く上げるならば下手な外食よりは有効な手段である(貧乏くさいともいう)。ここから21:28発辰野行で数駅もどり、今回の宿の最寄駅元善光寺駅へと向かう。

宿の最寄は無人

列車はかくして元善光寺駅に到着。降りた瞬間、「これはすげぇ」って内心。

降りたその駅は、誰もいない駅だった。

乗ってきた列車は私を降ろして暗闇へと消えていった。ここには自分ひとり。ちょっとスリリング...!

誰もいないベンチにスポットライトが当たる

列車が去った後、月明かりのみ照らす無人駅を後に宿を目指して歩いた。

(1日目 -完-)

さいごに

一人旅で夜の無人駅にいくの、ちょっとこわい