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かわかもがわ

再び始まる日々の備忘録

伊予灘ものがたり 八幡浜編

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先月の四国旅行で観光列車「伊予灘ものがたり」に乗ってきたので、その乗車記を忘れないうちに。同旅行中で近鉄の観光列車「しまかぜ」にも乗車したけど、こちらはまたの機会に。

[取り敢えず参考程度]「伊予灘ものがたり」とは?

愛媛県松山駅八幡浜駅間で運転される観光列車(一部列車は途中の伊予大洲駅)。車両デザインはJR九州ななつ星in九州」などを担当した水戸岡鋭治氏。バイパスである内子線を経由する特急列車と異なり、海沿いをゆく予讃線の旧線を経由して運転される。そのため、伊予灘に広がる綺麗な海を臨む車窓がこの列車の魅力の1つである。土日を中心とした日程で1日2往復、それぞれ運行ルートにちなんだ列車名が名付けられている。今回乗車した列車は1日の日程の中で3本目"八幡浜編"である。

iyonadamonogatari.com

乗車まで

思い立った日にはもう指定券が発売済みであったため、潔くキャンセル待ちを狙った。伊予灘ものがたり号の座席は海を臨むカウンター席である「海側席」、2人で利用できる「山側席」、4人がけボックスシートの「BOX席」の3タイプが存在し、JRのチケット発売システムであるマルス上でも3つの席種ごとに予約状況が管理されている。今回は1人での乗車であったため、相席になる可能性のある「山側席」「BOX席」を避け、「海側席」の空席を粘った。乗車10日前くらいの空席照会で偶然八幡浜編の空きを獲得。なんとか乗車できる次第となった。

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上の写真は伊予灘ものがたり号のマルス券である。前述の通り、列車の座席が席種ごとにマルスシステム上で管理されているため、列車名が伊予灘ものがたりではなく「伊予灘八幡浜編 海側席」と印字される。グリーン車ではあるが普通列車のため、980円の追加料金で乗車することが可能な点がポイント。また、みどりの窓口では座席と合わせて食事の予約をすることもできる。その場合は指定席券と合わせて食事予約券が発券される。今回は乗車時間がお昼過ぎであること、料理以外のメニューを試したかったこと、お金がないことの3点から食事の予約は見送った。

乗車の感想

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伊予灘ものがたり号は奥のホーム3番線からの発車

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松山駅の電光掲示。テロップで案内が流れるこだわりぶり。

前日の大阪・十三泊から新幹線「さくら」・特急「しおかぜ」を利用し一気に松山まで移動。「しおかぜ」を降り3番線のホームへ移動すると早速撮影の人だかり。運行開始から1年が経つが、その人気は衰えを知らないようである。ホームにはお出迎えと言わんばかりにオリジナルBGMが流れいい雰囲気。このような演出は他の観光列車ではあまり見られないもので印象に残った。

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絨毯の敷かれた乗車口ではアテンダントさんがお出迎え。指定券を見せて中に乗り込む。

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今回乗車する海側の座席はカウンター席である。カウンター席であれば1人でも気兼ねなく楽しむことができるため、個人利用の場合はカウンター席をお勧めしたい。座席は普通のソファーであるが、自由に使えるクッションがセット。これなら長時間座りっぱなしでも腰を痛めずに済む...のかも。

テーブルには乗車前にあらかじめメニューとおしぼり、そして食事予約をした人に提供される料理のカードが置かれている。食事予約なしでの乗車であったため一瞬戸惑ったが、どうやらすべての座席に置かれているもののようである。また、今回の乗車では伊予灘ものがたり乗車2万人達成を記念したほうじ茶のプレゼントがあった。

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八幡浜編の予約料理は地元のレストラン「門田」が担当。お値段は4500円。御品書きは上記の通り

そんなこんなで駅員さんや見物客に見送られ松山駅を定時で出発。車窓には市坪駅付近の「坊っちゃんスタジアム」などを臨みしばらくはアテンダントさんの観光ガイドが続く。

しばらくすると予約の料理が続々提供される。まるでレストランのような、そんな趣である。運行時間帯がお昼過ぎではあるが、見た感じでは乗車していたほとんどの人が食事を予約して乗車していた。折角乗車するのだから食事も一緒にと考える人が多いのかもしれない。

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伊予灘ものがたりでは、予約した食事を楽しむのは勿論だが、メニューから選んで飲み物や軽食をオーダーすることもできる。ただし、メニューから注文できる品物は軽食・飲み物・乗車記念のグッズが中心なので、ガッツリ食べたい人(?)は食事予約をした方がよいでしょう。アテンダントさんが通りかかったタイミングで今回はオリジナルカクテル「黄金」とレストラン門田オリジナルロールケーキをオーダー。どちらも列車でしか味わえなそうという理由でのセレクト。

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料理のお会計は食事が届いたタイミングで支払うスタイル。これも観光列車ならでは。オリジナルカクテル「黄金」はオレンジジュース系の炭酸カクテル。改めて柑橘系の味わいに伊予の地に降り立ったことを実感する。ロールケーキもこういった列車の中では随分におしゃれである。

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向井原を過ぎ予讃線旧線に入ると車窓に海が広がる。乗車日は曇りであったが、アテンダントさんの「どこまでも広がるような伊予灘をお楽しみください」とのフォローが秀逸であった。

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海沿いを走っているとあっという間に下灘駅に到着した。この下灘駅は海に近い趣のある駅として旅人に人気のスポットとなった。伊予灘ものがたり号ではそんな下灘駅での停車時間が設けられており、写真撮影を楽しむことができる。同様の"サービス停車"は「リゾートしらかみ」の千畳敷駅停車など他の観光列車でもみられる。但し数分程度であるため、すぐの発車となるのが勿体無い印象である。

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もう開くことのない駅の窓口と沢山の駅ノートが旅情を誘う

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ホームから伊予灘の水平線を臨む

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灘駅での小休止を終え、列車は八幡浜をめざし海沿いを進む。アテンダントさんの丁寧な沿線紹介を聞きながらぼんやりゆっくり流れる非日常に身をゆだねる。伊予長浜駅最寄の長浜高校には水族館部という世にも珍しそうな部活があり、学校にある水族館を管理しているそうである。世界大会でも優秀な成績なそうな。

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飲み物がなくなってしまったためこのタイミングで地酒飲み比べセットなるものを注文してみた。いわゆる"利き酒"であるが、5種類の日本酒のなかから3種類を選ぶことができる。今回は甘口「初雪盃」、中口「梅錦」、やや辛目「雪雀」の3種をセレクト。

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伊予大洲駅からは内子線と合流し、メインルートを通って八幡浜へと向かう。伊予大洲を過ぎて見えてくるのは大洲城。

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お城を車内の小物と合わせて。にしてもこの列車、小物1つ1つがおしゃれですてきです。

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途中の伊予平野駅では列車交換のための停車があり、交換待ちの間は列車の外に出て記念写真を撮ることができる。また、地元のパン屋さんによる出張販売もあり、ミルクパン(200円)の試食・購入ができる。試食にいったらとてもおいしかったので即購入。パン屋さんのパンってやっぱいいですよね。

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交換した特急列車(2000系)と。

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伊予平野を出るといよいよ終着八幡浜に向けて旅も終盤。ダイニングカウンターでは料理の準備が進む。といってもこの料理は折り返し道後編のもの。八幡浜編で走りながら次の道後編への準備も進めていく...とてもプロい。

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アテンダントさんより放送による挨拶があり終着八幡浜に到着。最後に乗客1人1人のところに向かい「ありがとうございました」とご挨拶、丁寧なアテンダントさんがとても印象に残った旅であった。

まとめ

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伊予灘の綺麗な海と食の味わいを一度に楽しめる「伊予灘ものがたり」乗車はとても充実したものであった。特にアテンダントさんのきめ細かなサービスや沿線案内は普段の列車では体験しがたい印象に残るものであった。是非次はもう一度、コーヒーをすすりながら伊予灘の夕日を眺めに再訪したい。

おまけ

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八幡浜からは九州にも行くことができます。しかしこの別府連絡の看板、シブい...